2008 Fiscal Year Annual Research Report
粘性や緩和効果を考慮した非線形保存則の解の時間大域構造
Project/Area Number |
19340037
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松村 昭孝 Osaka University, 大学院・情報科学研究科, 教授 (60115938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茶碗谷 毅 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (80294148)
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Keywords | ナヴィエ・ストークス方程式 / 時間大域解 / フォッカー・プランク・ボルツマン方程式 / 漸近安定 / 接触不連続解 / 粘性衝撃波 / 半導体 / 量子流体力学モデル |
Research Abstract |
研究代表者松村は、中国科学院のLi氏との空間3次元での圧縮性ナヴィエ・ストークス方程式の等エントロピーモデルに対し、任意のポテンシャル外力が与えられたときにそれに対応する定常解の近傍に時間大域的弱解が存在して、時間と共にその定常解に漸近することを証明した。この問題については、比熱比が適当に1に近いときのみに知られていたものを大幅に一般化したものである。また、中国師範大学のLi氏との共同研究において、フォッカー・プランク・ボルツマン方程式に対し、速度空間の拡散効果により温度が一様に増大してゆくようなマックスウェル分布が漸近安定であることを示した。さらには、中国科学院Fuang氏との共同研究で、粘性理想気体の一次元運動を記述する3×3の圧縮性ナヴィエ・ストークス方程式系の初期値問題を考察し,非粘性部分のオイラー方程式のリーマン問題が接触不連続波と衝撃波で構成される場合,対応する粘性接触波と粘性衝撃波の一次結合の合成波について新たな評価を得ることに成功し、現在漸近安定性の証明についての研究が進行している。連携研究員小田中は、半導体における電子輸送を記述する非定常な量子ドリフト拡散方程式の数値計算法を構成した。連携研究員西畑は、半導体中の電子の流れを記述する数理モデルを考察し、流体力学モデルに対して定常解が一意的に存在して、指数的に漸近安定であることを証明し、さらには量子効果を考慮した流体力学モデルに対しても同様に定常解が一意的に存在して、指数的に漸近安定であることを証明した。連携研究者柘植は、圧縮性オイラー方程式の球対称解の時間無限大の漸近挙動を調べ圧力に関する減衰評価を得た.連携研究者西原は、緩和モデルに関連して,空間変数に依存した消散項を持つ波動方程式のコーシー問題を考察し,解の拡散現象の観点からほぼ望ましいと思われる減衰評価を得た.
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Research Products
(2 results)