2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19340043
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
平原 靖大 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 准教授 (30252224)
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Keywords | 赤外線天文学 / 星間物質 / 赤外分光 / イマージョングレーティング / 超精密加工 / エシェル分光 / 振動回転スペクトル / 単寿命分子種 |
Research Abstract |
世界初の単結晶ゲルマニウム・イマージョングレーティングを用いた冷却エシェル分光器GIGMICSの製作と性能評価を行った。具体的には(1)損Si:As IBC FPA検出器の組み込み、動作条件の最適化、(2)検出器駆動エレクトロニクスの改良とソフトウェアの製作、(3)30K真空環境でステッピングモーター駆動が可能なスリットタレット、フィルタータレットの設計、製作、調整、組み込み、(4)計4つの低温駆動ステッピングモーター駆動エレクトロニクスの改良とソフトウェアの製作を行った。その上でGIGMICSの分光性能評価を行った。その結果、0.488mm□スリット搭載時に波長7-14μm(N-band全域をカバーする)において波長分解能20,000~30,000を確認することができた。地上望遠鏡搭載用であるGIGMICSを、実験室での赤外発光分光器として適用し、分光感度の導出を行った。分光セルとして高温セルや放電セルなどと組み合わせ、それぞれの実験条件に適したSi:As IBC FPA検出器の読み出し試験を行った。その結果、新たな検出器制御システム+GIGMICSによって、数十秒間の積分動作が可能であり、従来の分光法における信号の検出方法と比べ、短時間で信号雑音比が向上することを確認した。放電による発光を測定した場合、IRHSはフーリエ分光器と比べ信号雑音比が最大で10^6倍よいと見積もられ、不安定分子種の分光研究にも適用可能であることを示した。
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