2007 Fiscal Year Annual Research Report
南極氷床コアからさぐる超新星の歴史と太陽活動の履歴
Project/Area Number |
19340050
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
望月 優子 The Institute of Physical and Chemical Research, 櫻井RI物理研究室, 仁科センター研究員 (90332246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 和也 独立行政法人理化学研究所, RI製造応用チーム, 専任研究員 (70221356)
中井 陽一 独立行政法人理化学研究所, 櫻井RI物理研究室, 専任研究員 (30260194)
五十嵐 誠 独立行政法人理化学研究所, 牧島宇宙放射線研究室, 協力研究員 (50435624)
牧島 一夫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20126163)
本山 秀明 国立極地研究所, 研究教育系, 教授 (20210099)
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Keywords | 宇宙物理学 / X線天文学 / 太陽物理学 / 極地 / 氷床コア / 超新星爆発 |
Research Abstract |
本研究の目的は、南極大陸の日本の基地「ドームふじ」において掘削された氷床コアを用いて過去の超新星爆発の痕跡や太陽活動周期を抽出することである。そのため天文学・宇宙化学・雪氷学・大気原子分子反応の専門家が分野を越えて協力している。基本データは氷床コア中の硝酸イオン濃度で、測定にはイオンクロマトグラフ装置を用いる。研究の目的を達成するためには、特許を持つ世界最高水準のイオンクロマトグラフの測定限界近くにおける、高精度(バックグラウンド濃度レベルに対して精度3-4%以下)かつ超微量(濃度約10ppb)の分析が必要である。研究期間初年度の本年度、この研究に必要なレベルの測定精度が今までイオン分析を行なってきた雪氷学の分野で意識して達成されてきておらず、必要な精度をいかに達成し、かつ定常的に安定に維持するかという課題が明らかとなった。さらに、装置製造元の米国の親会社における出荷時の特許部品の汚染と、それに起因して装置の他の複数の部品にも不具合が広がるという不可避なアクシデントを経験し、原因を突き止め装置をベストな状態に調整するのに予想外の多大な時間を要した。しかし研究グループ内での検討や子会社の日本メーカーの技師も含めた企業との連携の末、最終的には、我々の研究目的に適った、新しい制御ソフトウェアプログラムならびにハードウェア制御と測定限界に関する知識をほぼ獲得し、かえって今後の研究基盤を盤石にすることができた。また本年度の研究費で2台目となるイオンクロマトグラフ装置を導入した。現在2台の装置の両方で、超微量分析のものとして国際的にみても最高水準の測定精度を達成できており、多少のトラブルがあっても滞りなく研究を遂行することができるようになった。
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Research Products
(3 results)