2007 Fiscal Year Annual Research Report
コズミックバリアンスを超克した次世代精細宇宙論の研究
Project/Area Number |
19340054
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横山 順一 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 教授 (50212303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 昌英 青山学院大学, 理工学部, 准教授 (80383511)
向山 信治 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (40396809)
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Keywords | 宇宙背景放射 / 温度揺らぎ / 初期揺らぎ / インフレーション / 超ひも理論 / 初期宇宙 / 重力波 / 統計分布 |
Research Abstract |
宇宙背景放射の温度揺らぎの角度パワースペクトルから初期揺らぎのパワースペクトルを再構築する研究に関し,今年度は,以下のような研究成果を挙げた。まず,これまでに開発したコズミックインバーション法によって再構築した初期曲率揺らぎのパワースペクトルについて,誤差のフィッシャー行列を計算し,それを対角化するような,統計的に独立なモードを求める手法を作り,実行した。その結果,再構築したパワースペクトルには,単純なべき乗則から統計的旨に有意にずれている部分があることを見出した。次に,この再構築の問題に関し,尤度関数が最大になるパワースペクトルを変分原理によって求める手法を用い,同様な解析を行った。この結果に関しても現在論文を投稿中である。このほか,インフレーション中に原始磁場が生成する条件を,超重力理論に基づいて一般的に解析した。また,宇宙背景放射から観測的に得られる初期揺らぎのスペクトルを理論的に再現することも,本研究計画の目的の一つであるが,これについては,そもそも現在活発に研究されている超ひも理論に基づくインフレーションモデルは,十分なインフレーションを実現できないことを見出した。
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