2007 Fiscal Year Annual Research Report
固体ターゲットを用いた原子炉ニュートリノ検出器の開発
Project/Area Number |
19340057
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
宮田 等 Niigata University, 自然科学系, 准教授 (80192368)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 健夫 新潟大学, 自然科学系, 助教 (00323999)
坂本 泰伸 東北学院大学, 教養学部, 准教授 (60350328)
|
Keywords | ニュートリノ / 中性子モニター / プラスチックシンチレータ / 光電子増倍管 / 原子炉 |
Research Abstract |
企業が試作したGd入りプラスチックシンチレータについて、γ線、β線等の放射線源を用いて性能評価を行った。発光量や光の透過率については、それほど悪くないことが分かったが、ドープしているGdには同位体が多数有り、その放射性同位体などのためにシンチレータ自身からのバックグラウンドが増えることが分かった。この問題を解決したGd入りシンチレータを作ると、かなり高価になることが分かったので、通常のプラスチックシンチレータを用いる次のような構造の小型プロトタイプ検出器をGeant4を用いたシミュレーションを行って設計し、製作した。最初のプロトタイプニュートリノ検出器として、通常のプラスチックシンチレータ板(18cm×18cm×2mm)、Gd板、薄い鉛板を重ねたものを1センサーユニットとした。このユニットを50層積み重ねて1つの検出器モジュールとし、5インチ光電子増倍管でその光信号を観測する。このモジュールを多数作ることで、原子炉ニュートリノ検出器になる。このようなモジュールを1つ用いるだけでも、原子炉ニュートリノ反応の生成粒子である中性子を捕まえることはできるので、これを用いて中性子検出のベンチテストを行った。鉛ブロックやボロン入りポリエチレンブロックを多数用いて、この検出器モジュールを遮蔽し、Am241-Be線源からの中性子を捕獲する実験を行った。線源の強度が不足していることが分かったので、新潟大学アイソトープ総合センターでCf252線源を用いて、波形弁別(PSD)による中性子検出実験を行い、その信号を捕らえることに成功した。今後、検出器モジュールの数を増やすことや遅延同時計数を行うことで、より現実的な原子炉ニュートリノ検出のための実験を行う。これらの結果は日本物理学会年会(平成20年3月)で報告した。
|
Research Products
(1 results)