2008 Fiscal Year Annual Research Report
非対称核子系における単一粒子起道の変化と集団運動発現機構の解明
Project/Area Number |
19340061
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
下田 正 Osaka University, 大学院・理学研究科, 教授 (70135656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田原 厚子 大阪大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (30264013)
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Keywords | 中性子過剰核 / 単一粒子軌道の変化 / shell model計算 / intruder state / Mgアイソトープ / スピン偏極 / ベータ・ガンマ分光 / スピン・パリティ |
Research Abstract |
本研究の根幹をなす実験はカナダ国立素粒子原子核研究所TRIUMFで行われるが、加速器の不調によって実験が2010年8月に延期された。そこで、平成21年度は、以下に示すように、これまでに得られたデータの理論的解釈と平成22年度の実験に向けた準備を行った。 1.shell modelに基づく理論計算を、この道の大家であるミシガン州立大学のAlex Brownの協力を得て行った。これまでに得られた28Mgおよび29Mgの実験データと照らし合わせ、29Mgの励起状態としてpf-shellの軌道を占めるものが2つあることを初めて指摘できた。 2.実験全体をシミュレーションできるよ、新しい手法に基づくモンテ・カルロシミュレーションコードを開発した。これにより、孫核、曾孫核、玄孫核からの放射線の影響、ベータ線が散乱されたり磁場で曲げられる効果を取り入れることができるようになった。その結果、ガンマ線検出器中でのガンマ線の散乱の効果が深刻であることが判明し、ガンマ線検出器のシールドを新たに製作した。 3.これまでの実験では不安定核ビーム28Naおよび29Naの偏極度は30%程度でしかなく期待される50%には届かない。その原因として考えられるのは、偏極を保持するための磁場の強度が十分でないことである。そこで、新たに永久磁石からなる磁気回路を製作した。磁場測定を行い、今までの磁場強度840Gの6倍の5kGの磁場が得られることを確認した。
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Research Products
(4 results)