2009 Fiscal Year Annual Research Report
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19340071
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
山内 正則 High Energy Accelerator Research Organization, 素粒子原子核研究所, 教授 (20174584)
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Keywords | Bファクトリー / B中間子 / τレプトン / ルミノシティ / CP対称性 / 小林・益川理論 / 荷電ヒッグス粒 / ユニタリティ三角形 |
Research Abstract |
平成21年7月、11月に高エネルギー加速器研究機構において国際研究集会を開催し、それぞれ約100名の参加を得た。ここでは超高ルミノシティBファクトリーにおいて可能となる研究テーマについて検討を行うと同時に測定装置の最適化についての討論を行った。平成21年12月には主に若手を対象とした研究会を実施、40名の参加を得て現行Bファクトリーのデータ量を格段に上回るデータによる精密測定によって可能となる超対称性の探索などについて討論を行った。このほかに5名程度の研究者による小規模な討論会を数多く開催した。これらの研究会にはこれまでのKEKB実験に参加下研究者だけではなく、イタリアで提案されているスーパーBファクトリーでの実験の準備を行っている研究者も招待し、議論への参加を求めた。これらによって明らかになった点は以下のとおりである。 超対称性の典型的なモデルをいくつか取り上げ、B中間子の崩壊で測定可能な物理量の標準模型からのズレと各モデルのパラメターとの関係を網羅的にまとめた。対象とする物理量はペンギン過程の時間に依存するCP非対称性、ユニタリティ三角形の整合性、K*11崩壊における11の不変質量分布と前後方荷電非対称性、BのK*γ崩壊でのCP非対称性などが含まれる。また、レプトン数の保存を破るτ崩壊現象の探索方法の確立や、B中間子がDτνあるいはτνに崩壊する過程における荷電ヒッグスの探索についても現Belle実験のデータを用いることによって新しい手法が明らかになった。
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