2007 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ光学による半導体単-量子ドット中の非線形光学過程の研究
Project/Area Number |
19340079
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
南 不二雄 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 教授 (30200083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 佳宏 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (50372462)
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Keywords | ナノ光学 / 半導体 / 量子ドット / 過渡現象 / 顕微分光 / 非線形光学 |
Research Abstract |
光照射された金属探針先端に誘起される表面プラズモンが生成する局在増強場を利用することにより、探針直下のナノメートルサイズの空間領域の物質のみを強く光励起することができる新しいナノ分光法である探針増強ナノ光学分光装置を作成するために、既存のSPMコントローラーを用いて金属探針を液体ヘリウム温度で任意の場所に移動させるシステムを作製した。平成19年度中に空間分解能が100nmの液体ヘリウム温度で動作するナノ分光装置がほぼ完成できた。実際に、半導体表面からの発光やラマン散乱の増強度効果を調べて、この装置の性能を評価した。その結果、作成した装置は、発光、ラマン散乱に対しては10^4倍程度の電場増強効果を持つことが判明した。しかし、ラマン散乱に対してはまだ集光効率が完全ではなく、現在光学系の改良に着手している。 同時に、半導体単一量子ドット内の励起子構造を調べるために顕微分光法を用いた測定も行っている。光子相関法を併用することにより、GaAs単一量子ドット中の多励起子構造の詳細が明らかになりつつある。これらの成果はすでに論文にて公表してある。 フェムト秒パルスを励起光源として用い、時間情報も加味した実験にも着手した。実際に、金属探針先端に誘起される表面プラズモンにより10^4倍程度増強されたパルス電場により、非線形光学効果が金属探針先端のみで増強されるかに重点を置いて研究を進めている。現在、半導体表面からのSHG過程に対して、金属探針による増強効果が起こっていることの確認が取れている。
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Research Products
(21 results)