2007 Fiscal Year Annual Research Report
ミュオニウムスピン交換反応を用いたスピントロニクス材料の機能開発
Project/Area Number |
19340080
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
鳥養 映子 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (20188832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白木 一郎 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教 (10399389)
永嶺 謙忠 理化学研究所, 山崎原子物理研究室, 名誉研究員 (50010947)
下村 浩一郎 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 機関内講師 (60242103)
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Keywords | スピンエレクトロニクス / 伝導電子スピン偏極 / ミュエスアール / パルスレーザー / ミュオニウム |
Research Abstract |
代表的な半導体であるSi,Ge,グラファイトや,有機半導体などでは,伝導電子の持つスピン軌道相互作用が弱く,スピン偏極の情報が格子に伝わらないために,レーザー光磁気Kerr効果(MOKE)などの光学的方法を用いることができない.これらの半導体中での伝導電子スピン偏極(CEP)を測定する実験技術を確立し,新しいスピンエレクトロニクス材料の機能を開発することを目的として,本研究グループが高エネルギー加速器研究機構において創始開発したミュオニウムスピン交換反応測定法を,世界最高尖頭強度を持つ英国理研RAL研究所のパルス状ミュオン発生施設のポート2で実現するために,ミュオンパルスと同期したパルスレーザースピン偏極系を構築した.理化学研究所およびラザフォードアップルトン研究所の協力で,購入したレーザー装置を設置するためのレーザーキャビンを整備し,ミュオン実験ポートまで安全機構つきの光輸送路を構築し,専用のクライオスタットの準備をおこなった.高エネルギー加速器研究機構の協力で本レーザーにOPOレーザーを組み込み,レーザー納入業者の協力により光学機器の貸与を受け,この実験装置を用いたテスト実験として,長寿命の光励起スピン偏極がMOKEであらかじめ確認されているGaAs標的を用いてCEP測定を行い,原理の検証に成功した.ミュオニウムスピン交換反応測定法では,スピン編極したミュオニウムを対象とする半導体に導入し,スピン偏極した電子との間の交換反応によって,高感度に,かつ実験条件に大きな自由度を持たせて,半導体中のCEPを精度良く測定することができる.CEPによりミュオニウムのスピン偏極が変化しその変化をミュエスアール法で検知できるからである.この方法はほぼ如何なる半導体に適用できて,温度等の外的条件によらないため,広い応用実用分野の展開が期待される.
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