2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノスケール構造制御された複合系における非線形光学応答の巨大化
Project/Area Number |
19340081
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中村 新男 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 教授 (50159068)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸田 英夫 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (40311633)
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Keywords | 光物性 / 分子性固体 / ナノチューブ / 非線形光学現象 / レーザー分光 |
Research Abstract |
1)フラーレンピーポッドの非線形光学応答の研究 C_<60>、C_<70>、C_<84>を内包したカーボンナノチューブ(フラーレンピーポッド)を作製し、その光物性と非線形性の増大化を調べた。C_<70>およびC_<60>ピーポッでは、3次非線形感受率はナノチューブと内包フラーレンの成分の単純な和になることがわかった。一方、C_<84>ピーポッドでは、半導体チューブの第2バンド間遷移エネルギー近傍においてナノチューブと比較して非線形性が増大することが明らかになった。この増大効果は、この遷移エネルギー近傍におけるエネルギーバンドの混成による遷移双極子モーメントの増大、および内包C_<84>から半導体チューブの第2バンドへの電荷移動によると考えられる。 2)金属ナノ粒子の非線形光学応答の研究 チオール分子で修飾された金クラスターおよびガラス中に分散された金ナノ粒子を対象にして、3次非線形光学応答のナノ粒子サイズ依存性とその起源を明らかにした。ナノ粒子の直径は1〜17nmの範囲であり、その中に含まれる金原子数は25個から170000個に相当する。金原子数が142個以上では、3次非線形感受率の値は負であり、サイズの増加とともに非線形性は増大する。この増大効果は表面プラズモンによる光電場の増強効果に起因する。一方、71原子以下では正の値になり、サイズの減少とともに増加することがわかった。クラスター領域では、電子状態は量子サイズ効果によって分子的な性質を示すようになるために、離散準位の充填効果とチオール分子への電荷移動が非線形性を発現させること明らかになった。 3)デンドリマー/金クラスター複合系の光物性の研究 従来の研究においてデンドリマーに内包された金クラスターの発光とされていた発光スペクトルの起源を明らかにした。デンドリマーの酸化度と発光との関係を詳細に調べた結果、発光起源はデンドリマーであることがわかった。
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Research Products
(10 results)