2007 Fiscal Year Annual Research Report
超流動ヘリウム中における量子ドットの作製と光マニピュレージョン
Project/Area Number |
19340082
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
芦田 昌明 Osaka University, 基礎工学研究科, 准教授 (60240818)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 正 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (60004503)
飯田 琢也 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 助教 (10405350)
石原 一 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60273611)
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Keywords | 量子ドット / 光マニピュレーション / 超流動ヘリウム / レーザーアブレーション / ナノ材料創成 / ナノ構造形成 / 光制御 / ワイドギャップ半導体 |
Research Abstract |
本研究では、半導体量子ドットの運動を光によって制御し、これまで困難であった量子ドットのサイズ選択や、より一般的にその「量子力学的個性」による選別を行う技術を開発することを目的としている。その最も理想的な環境場として、粘性が非常に小さく、極低温状態にある超流動ヘリウムを採用するが、その中に量子ドットを導入するため、液体ヘリウム中でレーザーアブレーションを行うことにより、半導体量子ドットを直接作製する技術も同時に開発する。 まず、既設の実験系に本研究費で購入した長距離顕微鏡を導入し、レーザーアブレーションを行う際、そのターゲット試料の表面を数μm程度の分解能で観察することに成功した。さらに、作製された量子ドットを光で移動させる際の標的である、グリッドの表面も同様の高分解能で観察することができるように測定系を構築した。こうした準備に基づき、超流動ヘリウム中におけるレーザーアブレーション過程の詳細、並びにマニピュレートされた量子ドットの液体ヘリウム中での光学応答のその場観察を来年度に実施する予定である。 一方、室温で励起子発光を示すことから、紫外光源としての利用など、実用化が期待されるワイドギャップ半導体Zn0に関しても、超流動ヘリウム中でのレーザーアブレーション実験を行った。作製された微粒子群の透過型電子顕微鏡(TEM)観測を行い、数ナノメートルの量子ドットも多数見いだした。また、格子縞が見られる程、結晶性のよい微粒子が存在することも明らかとなった。Zn0は六方晶系であるため、アブレーションによって球形粒子が得られることは多くないが、ヘリウム中では球形のものが多数生成されることも判明した。さらに、走査型電子顕微鏡によるカソードルミネッセンスの測定も行い、アブレーションによって生成された微粒子は、不純物に起因する緑色発光が抑えられ、紫外発光が強くなることも見出した。
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Research Products
(9 results)