2007 Fiscal Year Annual Research Report
原子レベルで平坦な強誘電体の清浄表面の形成とその伝導層の物性解明
Project/Area Number |
19340084
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
渡部 行男 Kyushu University, 理学研究院, 教授 (40274550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 和正 九州大学, 理学研究院, 助教 (30380562)
巨海 玄道 九州大学, 理学研究院, 教授 (00111146)
新井 正男 九州大学, 物質材料研究機構, 主幹研究 (40222723)
岩田 真 名古屋工業大学, 工学系研究科, 准教 (40262886)
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Keywords | 強誘電体 / 分極 / 表面 / 2次元電子 / 分域 / 反電界 / ナノ物性 / 清浄化 |
Research Abstract |
申請者らが、世界に先駆けて発見した、強誘電体の表面層の基礎物性を解明することを目的として以下の研究を行った。これまでの実験では、伝導型の直接証拠さえ不十分で、伝導度の絶対値が試料に依存し、伝導理論(2次元金属最小伝導率)に比べ遥かに小さいにも係わらず、緩慢な温度依存性を示す等の課題があった。ここで、伝導型の測定が困難な原因は、伝導度の低さであり、原子間力顕微鏡(AFM)の観察等で、清浄化と平坦化の不十分さによる表面電子の捕獲のためであることが分かった。強誘電体電子層の物性の解明伝導率の絶対値という初歩的特性すら信頼性のある結果が得られなかった。このため、まず、これまで報告がない原子レベルに平坦な清浄表面を持つ強誘電性単結晶(BaTiO_3等)の形成法を、超高真空中のラジカルビーム用いた清浄化と、その表面の化学結合性を超高真空原子間力顕微鏡で測定する方式を開発した。この結果、再現よく清浄化する方式が開発できた。また、表面伝導測定用の超高真空装置に分光器を組み込み、分極仮定の発光分光をできるように改造した。また、従来の分域理論の整合性を理論的に検討し、確立していると思われていたが、本質的な欠陥があることを示し、これは、表面が自由電荷で遮蔽されていると考えると理論的にも整合し、現在までの実験と一致することを提案した。
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