2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19340087
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小野寺 秀也 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 教授 (50005972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉本 義夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70111250)
高木 滋 東北大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (20154750)
松岡 英一 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教 (20400228)
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Keywords | 軌道秩序 / 反強四極子秩序 / 反強磁性秩序 / 反強八極子秩序 / 磁気構造 / 磁気相転移 / 磁気相図 / 立方晶パラジウムブロンズ |
Research Abstract |
本研究は、4f電子の多極子相互作用の競合がもたらす物性の解明を目的とし、本年度は下記の成果が得られた。 1. 正方晶TbB_2C_2の反強八極子と反強磁性秩序の共存相は、反強八極子相がGd希釈に極めて脆弱である。さらに、0〜25%Gdの化合物の精細な磁気相図の作成から、磁場下では誘起反強四極子相が25%Gdでも出現するのに対し、反強八極子相はGd10%以下で消滅することが明らかになり、四極子秩序とは異なり、八極子秩序は磁場に対しても脆弱であることが明らかになった。 2. Dy_<0.8>Gd_<0.2>B_2C_2では反強磁性転移より低い温度で反強四極子転移が生じるが、秩序変数としての四極子の発達が異常に抑制されていることが明らかになった。その秩序変数の発達異常はきわめて弱い磁場で生じる異常な磁場誘起相転移の原因となっていることが明らかになった。 3. 多極子秩序を示す立方晶パラジウムブロンズPrPd_3S_4の基底状態では反強八極子と反強磁性が共存しているが、これは孤立した3重項基底状態により八極子と双極子が独立ではない本化合物特有の多極子秩序相であることが明らかになった。 4. 同じ構造のTbPd_3S_4と同様にNdPd_3S_4においても磁場誘起反強四極子秩序相が出現すること、ともにその基底秩序相が1・次相転移で出現することなどを見出し、TbB_2C_2と同様の反強八極子と反強磁性秩序の同時転移の可能性が高いことを明らかにした。SmPd_3S_4も1次相転移を示し、似たような多極子相転移挙動を示すものと期待されることが判明した。
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Research Products
(21 results)