2007 Fiscal Year Annual Research Report
s電子を利用した特異な磁性・電気伝導・誘電現象の探索
Project/Area Number |
19340098
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
東 正樹 Kyoto University, 化学研究所, 准教授 (40273510)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島川 祐一 京都大学, 化学研究所, 教授 (20372550)
齊藤 高志 京都大学, 化学研究所, 助教 (40378857)
水牧 仁一朗 (財)高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門・動的構造グループ, 副主幹研究員 (60360830)
|
Keywords | 強相関電子系 / 電子・電気材料 / 放射線・X線・粒子 / 物性実験 |
Research Abstract |
今年度は交付申請に従って研究を進め、下記の成果を得た。 1.新しいダブルペロブスカイトPb_2FeReO_6を合成、磁化とMCD測定から、これが室温以上の転移温度をもつフェリ磁性体であることを確かめた。また、合成条件によってFe^<3+>/Re^<5+>の秩序化の度合いが変化し、それに応じて飽和磁化にも違いが出ることを見いだした。 2.15GPaの高圧力下で、ペロブスカイトPbMnO_3の合成に世界で初めて成功した。8GPaで合成した試料は6h型のヘキサゴナルペロブスカイトで、それを15GPaで再加圧することでペロブスカイト構造へ転移した。 3.BiNiO_3の圧力下中性子回折実験から、4GPaでBi^<3+>_<0.5>Bi^<5+>_<0.5>Bi^<2+>O_3→Bi^<3+>Ni^<3+>O_3で表されるサイト間電荷移動が起こり、絶縁体-金属転移が生じることを見いだした。また、放射光X線吸収実験で、Niの価数変化を確認した。 4.InFe_2O_4の純良試料を合成、放射光X線回折で2Fe^<2.5+>→Fe^<2+>+Fe^<3+>の電荷秩序に対応する超格子ピークを観察した。また、電荷秩序の成長が遅く、誘電率が冷却速度に大きく依存することを見いだした。 5.ペロブスカイトPbVO_3について、6GPaの圧力下で単結晶を育成、これが2次元磁性体であることを確かめた。また、d_<xy>軌道の秩序化によって大きな正方晶歪みが生じるメカニズムを提唱した。15GPaの高圧下で、世界で初めてペロブスカイトBaVO_3の合成に成功した。
|