2009 Fiscal Year Annual Research Report
s電子を利用した特異な磁性・電気伝導・誘電現象の探索
Project/Area Number |
19340098
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
東 正樹 Kyoto University, 化学研究所, 准教授 (40273510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島川 祐一 東京大学, 化学研究所, 教授 (20372550)
齋藤 高志 東京大学, 化学研究所, 助教 (40378857)
水牧 仁一郎 (財)高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門動的構造グループ, 副主幹研究員 (60360830)
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Keywords | 強相関電子系 / 電子・電気材料 / 放射線・X線・粒子線 |
Research Abstract |
今年度は以下の成果を得た。 1.BiNi03のBiを5%Laで置換したBi0.95La0.05Ni03は、昇温によってBi5+とNi2+の間で電荷移動が起こり、高温相は(Bi, La)3+Ni3+の酸化状態を持つ。この際、2.6%の体積収縮を起こす。歪みゲージを用いた線膨張係数の測定で、300Kから400Kの広い温度範囲に渡り、-24×10-6の負の熱膨張が起きていることを確認した。 2.代表的な圧電材料であるPZTと同様の菱面体晶-正方晶の固溶体である、BiFel-xCox03の圧電特性評価のため、化学溶液法でエピタキシャル薄膜試料を作成した。LaA103(001)上に作成した薄膜は、x=0.075までは菱面体晶だが、x=0.2ではバルク同様c/a=1.23の正方晶であった。また、x=0.1から0.15ではこれら2相の共存が観測された。AFMを用いた圧電測定の結果、BiFe03-では55pm/Vであった圧電定数d33が、10%のCo置換では100pm/Vに増大することが確かめられた。PZTを置き換える非鉛の圧電体として期待している。 3.水熱法で合成した新化合物Bi3Mn4012(NO3)がS=3/2反強磁性ハニカム格子を持つ事を見いだした。ハニカム格子は最近接相互作用だけを考えた場合フラストレーションを持たないが、この化合物中では次近接相互作用のために磁気フラストレーションを生じ、少なくとも0.4Kまで長距離秩序が起こらない。
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[Journal Article] Synthesis, Crystal Structure, and Magnetic Properties of Bi3Mn4O12 (NO3) Oxynitrate Comprising S=3/2 Honeycomb Lattice2009
Author(s)
O Smirnova, M.Azuma, N.Kumada, Y.Kusano, M.Matsuda, Y.Shimakawa, T.Takei, Y.Yonesaki, N.Kinomura
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Journal Title
J.Am.Chem.Soc. 131
Pages: 8313-8317
Peer Reviewed
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