2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19340099
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三宅 和正 Osaka University, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (90109265)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鶴田 篤史 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (40397716)
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Keywords | 強相関電子系 / 異方的超伝導 / 臨界価数ゆらぎ / 数値くりこみ群 / 量子臨界現象 / 結晶場効果 |
Research Abstract |
1.Ceを含む重い電子系物質CeCu_2(Si,Ge)_2などで観測される臨界価数ゆらぎに起因する超伝導機構について実験と理論の総合報告をJ. Phys. Soc. Jpn.誌から依頼を受けて執筆した。 2.動的平均場+1/N展開法による重い電子系の理論を展開し、任意の分散をもつ伝導バンドに対して適用できるように理論を整備した。これによって、重い電子系物質に対して第一原理計算と組み合わせることが可能になった(学会で発表)。 3.銅酸化物系における非整合SDWとd波超伝導の競合に関する理論を「斥力-引力カノニカル変換」を用いて研究した。同時に光学格子上にトラップされたフェルミ原子系のBCS-BECクロスオーバーをクーパーペアと電荷密度に関するFLEX近似に基づいて議論した。その結果、転移温度がNozieres&Schmitt-Rink理論によるものより抑えられることと、ハーフフィルドの場合には粒子・正孔対称性が回復することを示すことができた(学会で発表)。 4.Sr_2RuO_4の超伝導機構に対するOサイトでのクーロン斥力U_<pp>の効果を(RuサイトでのU_<dd>ともに)3次摂動まで考慮した理論を展開し、sin k_x+i sin k_y型のスピン3重項ペア状態は基本的に2次摂動の効果で出現することが分かった。また、スピン軌道相互作用と軌道間のフント結合の最低次の効果によってスピン3重項状態を特徴付けるdベクトルは伝導2次元面(ab面)内を向いた状態が基底状態になることが分かった。これは最新の石田グループ(京都大学)によるナイトシフトの実験結果とコンシステントである(学会で発表)。
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Research Products
(5 results)