2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19340104
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
芳賀 芳範 Japan Atomic Energy Agency, 先端基礎研究センター, 主任研究員 (90354901)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 悦嗣 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 副主任研究員 (50343934)
立岩 尚之 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 副主任研究員 (50346821)
松田 達磨 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 研究員 (30370472)
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Keywords | 強相関電子系 / プルトニウム化合物 / 単結晶育成 / 磁性 |
Research Abstract |
本課題では、アクチノイド化合物のうち、天然には存在せず取扱の難しいプルトニウム化合物について、試料作成と物性測定を通じて5f電子が示す物性の特性を明らかにすることを目的とする。今年度は、代表者を含むグループが最近発見した新しい物質群AnPd_5Al_2(An=U,Np,Pu)を中心に物質探索を行うとともに、その以上物性を詳細に調べた。NpPd_5Al_2に関して、超伝導及び常伝導状態の磁気トルク及び磁場中比熱を初めて測定し、超伝導転移に伴い、5f電子による強いパウリ常磁性及び巨大な電子比熱係数が急激に減少することを見いだした。この研究の過程で、超ウランあるいは放射性物質を用いた密封型物性測定セルを作製した、これまで、Pu物性実験は、磁化率など非接触の測定に限られていたが、これを用いて研究対象がさらに広がる。これらの成果は日本物理学会において口頭発表した。一方、PuPd_5Al_2を作製するために、原料となるPu酸化物の還元方法から検討した。水素雰囲気中でPuO_2と遷移金属を直接反応させる「結合還元法」が有効であることを見いだした。この手法で金属間化合物PuPd_3を作製し、さらにPdとAlを加えてアーク溶融することによりPuPd_5Al_2を得ることに成功し、物理学会で報告した。これに関する物性測定を次年度に行う。関連して、U-Pd-Al系の物質探索を行い、U_<2/3>Pd_2Al_5を発見、報告した。 以上の活動が評価され、2009年のアクチノイド国際会議(米国)では基調講演を行うことが内定した。
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