2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19340104
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
芳賀 芳範 Japan Atomic Energy Agency, 先端基礎研究センター, 主任研究員 (90354901)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 悦嗣 独立行政法人 日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 副主任研究員 (50343934)
立岩 尚之 独立行政法人 日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 副主任研究員 (50346821)
松田 達磨 独立行政法人 日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 研究員 (30370472)
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Keywords | 強相関電子系 / プルトニウム化合物 / 単結晶育成 / 磁性 |
Research Abstract |
超ウラン化合物が示す特異な物性は、5f電子によって特徴づけられており、重い電子状態や異方的超伝導が実現することが明らかとなってきた。一方、核燃料・RIとしての規制のために物性研究には制約があった。本研究では、プルトニウムをはじめとする超ウラン元素研究を、通常の物質と同程度の精度にまで高めることにより、その本質を探ることを目的としている。 今年度は、超ウランを対象とした低温高磁場磁化測定装置の開発を行い、これを重い電子系超伝導体NpPd_5Al_2の物性研究に適用した。放射性物質を密封状態で感度よく測定するために、密封型キャパシタンスファラデー法により装置を設計、製作した。同手法は、希土類系重い電子系の磁化測定に適用されている手法であるが、これを小型化・密封型に改良して、超ウラン及び放射性物質の測定を可能とした。0.3mg程度の微小試料について、高磁場領域では市販のSQUID磁化測定装置に匹敵する感度で測定することが可能となった。NpPd_5Al_2は極めて大きな常磁性効果で特徴づけられる重い電子系超伝導体である。常伝導状態の磁化は、キュリーワイス則に従い、その有効磁気モーメントはNp自由イオンに近い値を示す。一方超伝導状態では、超伝導反磁性の寄与以外に、常磁性磁化そのものが減少する。また、超伝導混合状態での磁束のピニングによるヒステリシスが顕著に観測された。
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