2007 Fiscal Year Annual Research Report
高温超伝導体の電子状態における酸素同位体効果に関する角度分解光電子分光研究
Project/Area Number |
19340105
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
相浦 義弘 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, エレクトロニクス研究部門, 主任研究員 (80356328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永崎 洋 独立行政法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス研究部門, 主任研究員 (20242018)
増井 孝彦 国立大学法人大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教 (10403099)
吉田 良行 独立行政法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス研究部門, 研究員 (50415767)
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Keywords | 酸化物高温超伝導体 / 角度分解光電子分光 / 酸素同位体効果 / 電子格子相互作用 / 電子構造 / キンク構造 |
Research Abstract |
1.超高真空対応超高精度冷却試料ゴニオメータの開発および超高精密計測環境の整備我々の先駆的研究において、試料の僅かのミスアライメントでも高温超伝導体の酸素同位体効果のような微細な電子構造の定量的な議論に深刻な影響を与えることを示した。このことは、非常に高い精度で「同一の」運動量空間の光電子スペクトルを比較することが本研究において必要不可欠であることを意味している。本研究の第一段階として、in situで試料の方位制御を可能する超高精度の多軸試料ゴニオメータの開発を行い、既存の高分解能角度分解光電子分光装置に組み込み、超高精密計測環境の整備を行った。 2.キャリア数の異なる酸素同位体置換した試料の作製および評価試料のキャリア数の調整は、過熱温度および酸素分圧を変化させることによる酸素量制御による手法により行った。また、酸素同位体置換の検証は、ラマン分光測定を用いて行った。 3.高温超伝導体の電子状態における酸素岡位体効果に関する角度分解光電子分光研究高温超伝導体の酸素同位体置換による電子構造の超高精密計測により、以下のことが示された:1)上記の述べた超高真空対応超高精度冷却試料ゴニオメータを用いて、試料の面内回転におけるミスアライメントの影響を定量的に見積もり、試料方位制御の重要性を示した。2)結合バンドおよび反結合バンドの各々のフェルミ面を分離し、各々の面積を定量的な見積もり、最適ドープ試料のキャリア数が酸素同位体置換を行う前と行ったあとの試料で同一であることを確認した(δ=0.158)。3)ノード方向の分散関係で示される屈曲(キンク)構造のエネルギー位置が酸素質量の変化に伴いシフトすることを示した。更に、ミスアライメントの影響の排除、同一のキャリア数の試料を用いることにより、定量的な酸素同位体シフト量を明らかにした。
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Research Products
(12 results)