2007 Fiscal Year Annual Research Report
電子ダイナミクスに基づく生体分子触媒反応のシミュレーション
Project/Area Number |
19340108
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
BOERO Mauro University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (40361315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舘野 賢 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (40291926)
重田 育照 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (80376483)
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Keywords | ハイブリッド計算 / 第一原理分子動力学計算 / 触媒反応 / タンパク質 / RNA / 酵素反応 / 立体構造 / メタダイナミクス |
Research Abstract |
現在,計算物理科学において飛躍的に発展中の最先端の計算手法を、生体系に向けてさらに強化して駆使するために,本年度は以下の開発作業を推進した。その目的は、数万〜十万原子以上より構成される巨大な生体分子系を,現実の系と同様に量子力学理論に基づきリアルにシミュレートする点にある。そこで本年度は、1)van der Waals(vdW)相互作用の計算精度を飛躍的に高めるために、MMポテンシャル場におけるvdWエネルギをQM領域に拡張して適用するためのコーディングを行った。さらに、2)メタダイナミクス法による反応経路探索領域をMM原子の領域にまで拡張するためのコーディングを実行し、以上の開発作業を完了した。後者については、現在のほとんどのサンプリング手法が,QM/MM計算におけるQM領域内のみを,その探索空間として設定しているが、酵素による触媒反応では,タンパク質やRNA分子の活性部位(QM領域)において生じる現象であっても,その他の領域に立体構造などの変化を誘導することがあり得るため、そうしたケースでは,QM領域のみならず,MM領域にも渡って状態空間・反応経路のサンプリングを行うことが必要なためである。こうして,QMおよびMM領域間の相互作用による効果を,最適反応経路探索法に露わに加味することによって,サンプリングにおいても現時点での万全を期すことが可能となった。そこで本年度はさらに、実際の生体分子系に対して、3)最適計算パラメータおよび最適反応座標の探索を開始した。応用する機能高分子系は、リボザイムによる酵素反応および多段階に渡る複雑な生体反応系(プロテイン・スプライシング反応)の両者であり、メタダイナミクス法のタクティクスを反応各ステップに対して順次適用することにより、複数段にわたる反応機構を系統的かつ網羅的に解析するフェイズに一部入った。以上、当初の予定通りに進行中である。
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[Journal Article] Structures and evolutionary origins of plant-specific transcription factor DNA binding domains2008
Author(s)
Yamasaki, K., Kigawa, T., Inoue, M., Watanabe, S., Tateno, M., et. al.
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Journal Title
Plant. Physiol. Biochem. 46
Pages: 394-401
Peer Reviewed
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[Presentation] Water as a catalyst2007
Author(s)
ボエロマウロ
Organizer
Spring College on "Water in Physics, Chemistry and Biology"
Place of Presentation
International Centre for Theoretical Physics, Trieste(Italy)
Year and Date
20070410-21
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