2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19340111
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
冨田 誠 Shizuoka University, 創造科学技術大学院, 教授 (70197929)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸塚 弘毅 創造科学技術大学院, COE特別研究員 (30422744)
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Keywords | 速い光 / 遅い光 / 微小球 / 群速度 / Q値 |
Research Abstract |
本研究では,微小な球形の共振器を対象としこの系で現れる「速い光」,「遅い光」の基礎物理を解明する。平成19年度は以下の理論的,実験的研究を着実に展開した。 (1)微小球の分散理論微小球と伝播光を結合させるために,通常の光学ファイバーの一部を1μm以下に細線化したテーパー、ファイバーを利用する。微小球とテーパー、ファイバーの結合は,方向性結合理論によって解析した。本研究の基礎となるアイデアは,共鳴周波数構造め先鋭な微小球共振器は透過する光の位相も大きく変調し,光の伝播速度を大きく変える。そして,弱結合(Under coupling)では異常分散に基づいた「速い光」が,強結合(Over coupling)では正常分散に基づいた「遅い光」が現れることが理論的に確認できた。 (2)微小球とテーパー、ファイバーの作製実験に必要となる高品質の微小球を溶融法によって作製た。溶融法はCO_2レーザーによる局所的な加熱でファイバー状のガラスの先端を溶融し,表面張力によって極めて真球度の高い球を作製する方法である。超高Q値をもつ微小球の作製条件を系統的に調べた。これにより,高品質の微小球を安定的に作製する条件を明らかにした。 (3)パルス伝播の実験実験に必要な光パルスは,波長可変レーザーの連続光を変調器で時間的に切り出すことで発生させた。発生したパルス光はテーパー、ファイバーを介して微小球と結合させる。球とファイバーの結合は,両者の距離をピエゾステージで精密に制御し,エバネッセント光の重なりを変化させることで結合定数を制御する。微小球系を光パルスが伝播するのに要する時間遅延の測定を現有のストリークカメラをもちいて進めている。なお,平成20年度にはLN変調器をパルス切り出しに用いるあたらしい実験システムを立ち上げる。
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