2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19340112
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
立川 真樹 Meiji University, 理工学部, 教授 (60201612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長島 和茂 明治大学, 理工学部, 准教授 (70339571)
小田島 仁司 明治大学, 理工学部, 助教授 (50233557)
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Keywords | 光トラップ / 結晶成長 / 過冷却水滴 |
Research Abstract |
本研究の目的は,光の放射圧によって微粒子を空間捕捉する光トラップ技術を用いて水滴や氷の微結晶を空中に静止させ,相転移や成長過程をその場観測する新しい実験手法を提供することである。これにより,従来不可能であった過渡現象の観測や多体問題の実験室シミュレーションを実現する。さらに光トラップの高速変調性や空間操作性を生かし,結晶成長のプロセスそのものを積極的に制御する可能性を探る。 1.冷凍槽の製作と観測系の整備 新たに低温サーキュレータを導入し,-50℃以下まで冷却できる低温槽を製作した。同時に高速度カメラの設置により,捕捉された水滴や氷晶の顕微鏡画像と散乱光パターンを時間分解して観測できるようになった。これにより,氷晶がトラップ内で回転する様子や,水滴同士の合体併合を捉えることができた。 2.過冷却水滴の蒸発速度の測定 対向ビーム型の光トラップにより過冷却水滴を保持し,Mie散乱パターンの時間変化を高速度カメラで追うことによって,水滴の蒸発速度とその温度依存性を計測した。拡散方程式に基づく解析により,蒸発が低温槽内壁の氷層を壕界条件とした拡散過程により支配されることが明らかになった。また,レーザー光の吸収が蒸発速度に及ぼす影響を評価した。 3.新しいトラップ法の開発 対流による上昇気流で重力の一部をキャンセルすることで,光トラップの安定度が格段に上がることを見出した。また,ラジオメトリックカの絶対値測定法を開発しその圧力やガス種に対する依存性を明らかにするとともに,この力を用いた新しい空間捕捉の可能性について検討した。これらの成果は今後水滴のトラッピングに応用していく予定である。
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