2007 Fiscal Year Annual Research Report
ガラス形成物質の誘電損失極小かさあげの原因の再検討
Project/Area Number |
19340116
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
野嵜 龍介 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 准教授 (00180729)
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Keywords | ガラス転移 / 誘電損失 / 誘電分光 |
Research Abstract |
誘電緩和過程が大変よく把握されている糖アルコールのシリーズを用い、1MHz〜20GHzにおける精密誘電損失測定から、過冷却液体・ガラスにおける誘電損失極小かさあげの原因を再検討する。 1 本研究では、1MHz〜20GHzにおける低誘電損失測定が重要である。高周波側(100MHz〜20GHz)と低周波側(1MHz〜100MHz)の二つの領域に分けて、それぞれにおいて適切な測定機器を用い、両者をあわせることにより全領域をカバーすることを試みた。全周波数領域で使用でき、かつ低誘電損失測定を可能にするフィクスチャの開発を行った。それを用いた測定法を発明として特許申請した。極板間隔50μm程度の平行平板コンデンサに挿入された物質の複素誘電率を、周波数帯に応じた基本電子測定機器を用いて高精度測定できる。高周波測定(100MHz〜20GHz)では、ネットワークアナライザ (HP8510B、45MHz〜40GHz)と7mmキャリブレーションキットによる校正を用い、0.005の誘電損失分解能を実現することに成功した。超低温恒温器(-85℃〜180℃)を用いフィクスチャと同軸ケーブルを一体にして温度制御した。-50℃以下の温度領域では、誘電損失分解能が0.05程度であった。低周波測定(1MHz〜100MHz)では、インピーダンスアナライザ(40Hz〜110MHz)を用いた。すべての温度領域で0.00005の誘電損失分解能を実現した。 2 純粋なグリセロールとソルビトールの誘電損失測定を、-135℃〜室温、100Hz〜10GHzで行った。既知の高温・低周波領域のデータと本研究の新データの比較を行い、新測定システムの検討を行った。その結果、2GHz以上では低温度領域(-50℃以下)で測定誤差が大きくなることが分かり、検討課題となった。
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Research Products
(9 results)