2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19340118
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
今井 正幸 Ochanomizu University, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (60251485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦上 直人 山口大学, 理工学研究科, 講師 (50314795)
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Keywords | 生体膜 / 多成分ベシクル / 膜変形 / コロイド / 拘束系 / 拡散ダイナミクス / ナノダイナミク / シミュレーション |
Research Abstract |
コロイドを内包したベシクル膜変形の解明 ベシクル内にコロイドを内包しその閉じ込めのエネルギーと膜の弾性エネルギーの競合によるベシクルの変形挙動を調べた。荷電コロイドを余剰面積を持つ非球形のベシクルに高密度で内包した場合、ベシクルはその余剰面積を用いて、球状の小胞が繋がったネックレス構造へと転移する事を実験的に明らかにした。この時のネックレスの形状は、純粋にベシクル体積一定・表面積一定の条件で幾何学的に決定され、その転移の駆動力は、ベシクルの内側にある、枯渇領域を最小にして、お互いに斥力ポテンシャルをもつ荷電コロイドの自由体積を最大にする為である事を示した。また、現在このモデルをモンテカルロ計算により、検証している。 ナノメートルサイズの脂質ドメインの膜内拡散ダイナミクス 脂質膜中におけるナノメーターサイズの物体の拡散係数を、ナノメータースケールをもつ多成分ベシクルを用いて、中性子スピンエコー法により始めて直接的に測定する事に成功した。得られた拡散係数は、拡散物質のサイズには殆ど依存せず、2次元膜の流体力学的相互作用を考慮したSaffman-Delbruckモデルに絶対値で非常によく一致する事を示した。また、ナノメートルスケールでの流体ドメインの拡散ダイナミクスをDPD(Dispasive Particle Dynamics)法でシミュレーションし、実験結果と比較することによりナノメートルスケールでのダイナミクスの可視化を行っている。
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Research Products
(7 results)