2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19340121
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
塩原 肇 The University of Tokyo, 地震研究所, 准教授 (60211950)
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Keywords | 固体地球物理学 / 深海環境 / 地震 / 地球観測 / 海底地震計 |
Research Abstract |
広大な海域での陸上と同等な地震観測を可能とするため、従来の自己浮上型の広帯域海底地震計で問題点であった水平動成分雑音の低減を目的とする、次世代の広帯域海底地震計の基礎開発を進めてきた。これを実現することで、詳細な地球内部構造を知るだけでなく、海底下の地震発生帯で何が起きているかなど、幅広い知見を得ることが期待できる。今年度は、2008年6月に設置した1号機を回収、より理想的な設置状態にした2号機の設置を6月に実施した。8月に回収する予定だったが無人潜水艇の故障により12月及び2010年2月に機器の設置回収を行うこととなった。そのため、当初予定していた半年程度の観測期間は1号機以外では確保できなかったが、従来の自己浮上型の広帯域海底地震計との並行観測など、一応の評価を行いうる観測データを年度末にかけてやっと取得することが出来た。のべ、3回の試験観測データからは、興味深い有意義な結果が得られている。無人潜水艇で運搬したため地震センサー部を海底面へ押し込めなかった1号機では、従来の広帯域海底地震計と比べ限られた周期帯で雑音が半減した程度であった。2号機以降では、この機器開発研究の最終目標である海面からの自由落下設置方法を採ることにより、地震センサー部を海底面の堆積物へ充分突入させることに成功した。これにより、10分の1以上の雑音低減効果が2回の試験観測で共に確認され、陸上観測点並の地震観測を可能とする道筋が得られた。これにより、従来の広帯域海底地震計で10年かかる観測データの取得を1年程度でも可能となることが期待される。
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Research Products
(3 results)