2007 Fiscal Year Annual Research Report
多結晶ダイヤを用いたコア条件下の超高圧高温実験に基づくコアの物質科学的研究
Project/Area Number |
19340122
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
八木 健彦 The University of Tokyo, 物性研究所, 教授 (20126189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 卓 東京大学, 物性研究所, 助教 (90343938)
末田 有一郎 東京大学, 物性研究所, 研究機関研究員 (20422446)
入舩 徹男 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 教授 (80193704)
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Keywords | 超高圧 / 実験技術 / ダイセモンドアンビル / レーザー加熱 / コア / 下部マントル |
Research Abstract |
本研究は、新しい超硬素材である多結晶ナノダイヤモンドで作成したアンビルを用いて、従来の限界を超す超高圧高温条件をダイヤモンドアンビルで発生する技術を開発し、それを用いて地球の内核に関する実験を推進しようとするものである。計画通り進展すれば、その組成や構造に関していろいろと未知の部分が残されている地球の内核に関して新たな知見を得ることが可能になり、地球科学の進展に大きく寄与すると期待される。現在まで計画通り実験室内でさまざまなサンプリング方法のテストを繰り返し、さらにPFやSPring-8の放射光を用いての超高圧高温発生実験を行ってきた。その結果いろいろな進展はあるものの、まだ直接コアの温度圧力条件を安定して発生するまでには至っていないが、この先もさらに実験技術の開発を進めていく予定である。一方そのような超高圧実験技術の開発と並行して、コアの問題に関連した物質の比較的低圧領域での物質科学的研究も進めている。そちらの方ではまずシリカーキセノン系において、従来報告されていた新たな化合物が生成したという実験結果に関して、確かにキセノンが回収試料中にトラップはされているが、その原因は化合物が生成したためではなく、レーザー加熱の温度のふらつきによりシリカの表面が部分的に融解して内部にキセノンが閉じこめられてしまったことによるということを明らかにした。また鉄-キセノン系に関しては、従来全く報告されていない新たな化合物が生成している兆候を得つつあり、さらに詳しい研究を行っている。それ以外にも下部マントルの物質科学に関連したいくつかの研究を行い、それぞれ成果を挙げて、いくつかは論文にまとめることができた。
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Research Products
(5 results)