2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本海溝に沈み込む太平洋プレートの温度構造と水の分布の研究
Project/Area Number |
19340125
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山野 誠 The University of Tokyo, 地震研究所, 准教授 (60191368)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬野 徹三 東京大学, 地震研究所, 教授 (10216567)
馬場 聖至 東京大学, 地震研究所, 助教 (70371721)
木下 正高 海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, グループリーダー (50225009)
後藤 忠徳 海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 技術研究員 (90303685)
後藤 秀作 産業技術総合研究所, 地圏資源環境研究部門, 研究員 (10378557)
|
Keywords | 地殻熱流量 / 沈み込み帯 / 日本海溝 / 地下温度構造 / 火成活動 / 電気伝導度構造 |
Research Abstract |
1.新規に購入した「音響伝送機能付温度圧力データロガー」を現有の耐圧容器に組み込み,水深7000mまで使用できる地殻熱流量測定システムを整備した。これにより,日本海溝のより深い部分における測定が可能となった。 2.平成19年5月の深海調査研究船「かいれい」KR07-06航海において,日本海溝東方の太平洋プレート上の全長約1000kmの測線に沿って熱流量測定を行い,8地点で合計17個のデータを得た。その中には,年齢1億年を超える古い海洋プレートとしてはやや高い値があった。これは,この海域で最近数百万年以内に起きたプレート内火成活動(プチスポット)に関連している可能性がある。 3.19年10月の学術研究船「白鳳丸」KH-07-3航海において,北緯40度15分付近の日本海溝海側斜面で熱流量測定を行った。また,ピストンコアラーを用いて堆積物コア試料を採取し,熱伝導率等の物性を測定した。3地点で8個の熱流量値が得られたが,うち2地点での値はプレートの年齢に比べて有意に高いものであった。同様な高熱流量は,北緯38度45分の海側斜面でも数多く観測されており,今回の結果は,海溝海側斜面における高熱流量が日本海溝沿いの広い範囲に存在する可能性を示すものである。一解,海溝陸側の水深約1500mの地点では,自己浮上式海底水温計1台を設置して長期計測を開始した。 4.海底電磁気探査に使用する,短周期型と長周期型の海底電位差磁力計の整備を行った。また,無人探査機を用いて人工電流源と電位電極を海底面上で曳航する解法について検討し,必要な機器の改良を行った。 5.19年9月に米国で開催された海域における熱流量研究に関するワークショップに参加し,新しい測定機器手法の開発,沈み込み帯の温度構造モデル等について,議論を行った。
|