2007 Fiscal Year Annual Research Report
ピルバラクラトンに産出する多様な大型微化石群の起源と生命初期進化における意義
Project/Area Number |
19340150
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
杉谷 健一郎 Nagoya University, 環境学研究科, 教授 (20222052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三村 耕一 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (80262848)
山本 鋼志 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (70183689)
南 雅代 名古屋大学, 年代測定総合研究センター, 准教授 (90324392)
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Keywords | ピルバラクラト / バルバートン / チャート / 太古代 / 微化石 / ストロマトライト / 光合成細菌 / 3次元像 |
Research Abstract |
当該年度の成果としては、まず微化石様構造の基本的な分類とその起源に関する考察をまとめた論文がPrecambrien Researchに掲載されたことが挙げられる。これにより、ピルバラクラトンから研究代表者が発見した太古代微化石について、それらがいったいどのような生物であったのかを議論する基盤を築くことができた。2007年6月には南アフリカバルバートンにおいて現地調査を実施し、ピルバラクラトンと類似の微化石をほぼ同時代(34億年)の地層から発見することができた。さらに同9月に行ったピルバラクラトンでの調査により微化石を産出する黒色チャートが7kmにわたって連続すること、また新しい露頭においてストロマトライト様構造を見いだすと共にその構造直下の黒色チャートからも微化石を発見した。これらの発見は太古代の微化石の存在をより確実にするとともに、光合成細菌(ストロマトライト)と微化石の関係性を示唆する重要な成果である。また設備備品として導入したデジタルカメラシステムに画像処理ソフトウェアを組み込むことによって、これまで行って来た通常の顕微鏡観察と2次元像では認識できなかった、あるいは正確に記載できなかった微化石の形態や表面の微細構造、断面形状の可視化や測定が可能になった。あらたに採取した岩石試料中からも良好な微化石が大量に産出し、そのなかに多くの分裂中の細胞の可能性が極めて高い標本が含まれていた。この分裂中の細胞に対比可能な標本について7th European Workshop on Astrobiology(Finland, Turuk)で発表し、良好な反応を得ることができた。
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Research Products
(2 results)