2008 Fiscal Year Annual Research Report
ピルバラクラトンに産出する多様な大型微化石群の起源と生命初期進化における意義
Project/Area Number |
19340150
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
杉谷 健一郎 Nagoya University, 環境学研究科, 教授 (20222052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三村 耕一 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (80262848)
山本 鋼志 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (70183689)
南 雅代 名古屋大学, 年代測定資料研究センター, 准教授 (90324392)
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Keywords | ピルバラクラトン / ファレル珪岩層 / スティルリープールチャート層 / 太古代 / 微化石 / 画像処理 / 細胞分裂 / 3次元像 |
Research Abstract |
当該年度の成果としては、微化石様構造の生物起源性を裏付け、かつその分類体系構築の端緒となる論文が計3本Precambrien Research誌に受理されたこと、UCLAで開催されたWorld Summit on Ancient Microscopic Fossilsに招待され細胞分裂中と考えられる微化石様構造について講演したこと、が挙げられる。これにより、ピルバラクラトンから研究代表者が発見した太古代微化石が広く学会に認知される基盤をより強固に築くことができた。またこれらの成果の一部は平成21年3月25日付け中日新聞、同3月31日付け読売新聞で紹介された。2008年の調査では、これまで調査を進めてきたファレル珪岩層(約30億年前に堆積)よりも古い約34億年前のスティルリープールチャート層でも試料を採取し、微化石の探索を行った。その結果、ファレル珪岩層と同様な微化石様構造を発見した。これらの発見は太古代の微化石の存在をより確実にし、かつ太古代の生命は我々が考えていた以上に複雑で進化したものであったことをより強く示唆するものである。また設備備品として導入したデジタルカメラシステムに画像処理ソフトウェアを組み込むことによって、これまで行って来た通常の顕微鏡観察と2次元像では認識できなかった、あるいは正確に記載できなかった微化石の形態や表面の微細構造、断面形状の可視化や測定を行い、その成果についても投稿中である。
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Research Products
(6 results)