2009 Fiscal Year Annual Research Report
地質時代のブライトレイヤーから読み解く地殻内流体の挙動
Project/Area Number |
19340152
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
寺林 優 Kagawa University, 工学部, 准教授 (40243745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 啓司 鹿児島大学, 理工学研究科, 准教授 (60244224)
岡本 和明 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (60456001)
ハフィーズ ウル レーマン 鹿児島大学, 理工学研究科, 助教 (60505410)
吉田 秀典 香川大学, 工学部, 教授 (80265470)
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Keywords | 地殻 / 流体 / ブライトレイヤー / 変成岩 |
Research Abstract |
内陸地震の発生には地殻内流体の挙動が関係していると考えられ、地殻内流体の貯留する機構としてブライトレイヤーの実体の解明が必要である。その温度条件は地殻熱流量他の観測から350℃程度と見積もられて、その深度は最大でも20km程度であり、その温度圧力での水に富む流体は亜臨界もしくは超臨界状態にある。地殻深部からの流体の上昇過程で、温度低下にともなって溶解度が低下し、溶融していた鉱物成分が析出して不透水層が形成されると考えられている。 本研究では、様々な造構場で形成された変成帯において地質時代のブライトレイヤーとその面を破壊する震源断層の化石を探索することを目的とした調査研究を行った。特に山口県の岩国-柳井地域の領家帯での詳細な地質調査と系統的な試料採取を行い、各種の室内実験によって、地質時代のブライトレイヤーの実態が著しく珪化した泥質岩であり、その三次元分布、物理条件、流体組成を明らかにした。研究分担者のレーマンは、ニュージーランド南島のオタゴ片岩帯で多数の石英脈が貫入する地域の岩石記載を行った。研究分担者の吉田は、不連続岩盤のクリープ変形に関する数値計算を行った。 Island Arc誌の第19巻(2010年3月発行)に、特集"Fluid-rock interaction in the bottom of the inland seismogenic zone"を企画し、関連する他の研究課題とブライトレイヤーの形成機構、地殻内での流体の挙動を議論した。
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Research Products
(5 results)