2007 Fiscal Year Annual Research Report
古生物種の連鎖反応から復元する北極〜高緯度海域の環境崩壊システム
Project/Area Number |
19340155
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
佐藤 時幸 Akita University, 工学資源学部多, 教授 (60241668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾田 太良 東北大学, 理学研究科, 教授 (60108454)
北 逸郎 九州大学, 比較社会文化研究科, 教授 (10143075)
丸山 俊明 山形大学, 理学部, 教授 (70165950)
神谷 隆宏 金沢大学, 理学部, 教授 (80194976)
天野 和孝 上越教育大学, 学校教育学部, 准教授 (50159456)
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Keywords | 古生物 / 北極 / 高緯度 / 新生代 / 古海洋環境 |
Research Abstract |
北極海を挟んで北大西洋と北太平洋,日本周辺海域の浮遊性有孔虫化石と石灰質ナンノ化石,および珪藻化石群集の組成について深海底コアの解析から検討を行った.用いた試料は,DSDPおよびODPプロジェクトで左右種された深海底コア,および研究代表者が首席研究員を勤めたIODP Exp.303試料である. 石灰質ナンノ化石からは,研究途中のExp.303を除いた高緯度〜北極海域の群集を解析,寒流系種が北極海域で氷床の拡大が発生した2.75Maを境に分布様式を急変させ,現在に近い分布様式を確立させたことを明らかにした.この成果は古生物学会誌「化石」に投稿,印制された.現在,IODP Exp.303の高精度解析を進めている.浮遊性有孔虫化石では,太平洋側と大西洋側の化石形態が同時に変化しているかについて第四紀の高精度解析から検討している.一方,珪藻化石では太平洋一大西洋間で共通種が認められるのがごく限られた層準のみであることを発見し,北極海を介した両海域の流通が,極めて限られた期間のみに起きたと推定した.この結果は,地質学雑誌に発表した. 貝化石に関しては,日本海側の上部鮮新統を対象に標本採取を行った.特に注目するのは2.75Maを境とした貝化石群集の変遷で,海洋の表層と底層での反応様式について今後議論していく予定である. このように,本年度は初年度でもあり,群集解析を開始した段階ではあるものの,試料を増やしたこと,その間に得られた成果は適宜,学術雑誌に公表することを努めた.
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