2007 Fiscal Year Annual Research Report
第四紀の東南極氷床・南極環流変動史の高精度復元:氷床・陸棚・深海底トランセクト
Project/Area Number |
19340156
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
池原 実 Kochi University, 海洋コア総合研究センター, 准教授 (90335919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 雅史 高知大学, 海洋コア総合研究センター, 准教授 (50261350)
小玉 一人 高知大学, 海洋コア総合研究センター, 教授 (00153560)
三浦 英樹 国立極地研, 研究教育系, 助教 (10271496)
甲村 恭之 東京大学, 海洋研究所, 助教 (60345056)
岩井 雅夫 高知大学, 理学部, 准教授 (90274357)
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Keywords | 古海洋 / 古気候 / 南極海 / 東南極氷床 / 南極環流 / コア / 地震波探査 / 第四紀 |
Research Abstract |
南大洋オーストラリア区のコアSIR-1PC(南緯54度、東経140度)において、漂流岩屑(IRD)の産出量変動を復元し。過去3回の氷期末にいずれもIRDが顕著に増大すること、および、間氷期にはIRDかほとんど産出しないことを明らかにした。 南極海リュツォ・ホルム湾陸棚上から採取した6本のコアのX線CTスキャナ解析および非破壊計測を実施し、堆積物の物性プロファイルを明らかにした。また、それらの元素分析を行い、有機炭素量が0.1%以下であり、炭酸塩含有量は検出限界以下の極めて低い濃度であることを明らかにした。 平成20年2月に、学術研究船白鳳丸によるKH07-4 Leg3航海を実施し、南極海リュツォ・ホルム湾沖における海洋地質学的調査および海洋コアの採取を行った。海底地形および地震波探査データは、現在解析を進めている。新たに採取した3本の海洋コアについて、非破壊計測および堆積物組成の概要を把握するためのスライド観察を実施した。その結果,コンラッド海台コアCOR-1PC(南緯54度、東経40度)は白色の珪藻軟泥であり、含水率が非常に高いこと、磁性鉱物をほとんど含まないことがわかった。リュツォ・ホルム湾沖のコアLHB-3PC(南緯66度、東経40度)は、黄褐色を呈する珪藻質粘土であり、IRDもしくは混濁流堆積物の挟在を示唆する帯磁率のピークが周期的に現れている。グンネラス海台のコアGUR-1MC(南緯66度、東経33度)は、灰白色を呈する炭酸塩軟泥であり、浮遊性有孔虫を多産する。 航海の成功により、本研究課題を遂行するための貴重な試料を入手することが出来た。得られたコアも古海洋変動を復元することが可能な堆積物であることがわかり、今後研究を進展させる土台が整ったと言える。
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Research Products
(7 results)