2008 Fiscal Year Annual Research Report
高温高圧下におけるケイ酸塩メルト/フルイド局所構造への多面的アプローチ
Project/Area Number |
19340163
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
神崎 正美 Okayama University, 地球物質科学研究センター, 教授 (90234153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
薛 献宇 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 准教授 (70362986)
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Keywords | メルト構造 / 顕微ラマン分光法 / NMR分光法 / 高圧その場測定 / ダイヤモンドアンビルセル / ケイ酸塩メルト / X線ラマン分光 / 局所構造 |
Research Abstract |
様々な温度圧力条件及び組成によるケイ酸塩メルト/フルイドの構造を求めるために,多様な分光法による測定や物性測定を行った. 1)NMR分光法を使ってAlを含む含水ケイ酸塩メルト構造を詳細に調べた.この分光法は常圧に回収した試料しか測定できないというデメリットはあるが,一方で圧倒的な局所構造情報が得られるメリットがある.我々は高度かつ巧妙なNMR測定技術を駆使して,Alを含む系においても,Alを含まない系同様に,水の溶解機構はネットワーク構造を切る様式が主であることを明確に示した.さらに最近はSi02-ネフェリン系の実験を行い,AlOH量がAl/(Al+Si)量について非線形に変わること,それがAl排除則でうまく説明できることを示した.より天然マグマに近く,含水マグマの熱力学的なモデリングに有用であろう. 2)SPring-8で放射光を使ったX線ラマン分光法により,シリカガラス中のシリコン周りの局所構造を74GPaまで調べた.その結果,これまで酸素だけから推定されていたシリコンの急激な配位数変化は否定されることが分かった. 3)含水Ge02ガラスをダイヤモンドアンビルセル(DAC)で13GPaまで加圧し,その構造をラマンと赤外分光法で調べた.その結果無水ガラスと同様で約5GPaで配位数変化を伴う構造変化を観察した.Ge-OH振動とO-H伸縮振動も同じ領域で大きく変化しており,配位数変化に伴うOH基の変化を初めて観察した. 4)ロシアの共同研究者とSPring-8においてケイ酸塩とも関連するネットワーク構造を作るAs-S,Seメルトの粘性の圧力依存性を調べた.5)水熱DACを使って数GPa,800℃までのその場ラマン分光測定を実現した.これを使ってメルトーフルイドの構造を調べている. 6)2008年度後半にCO2レーザーを導入し,DAC中にレーザー光を導入することで高圧高温その場実験を行う基盤を整備した. 7)顕微ラマン分光器の光学系を改造して,1桁の感度増加を実現した.これらは上記の測定に大きく寄与している.さらに2次元マッピングを可能にした.
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Research Products
(7 results)