2007 Fiscal Year Annual Research Report
下部マントル条件における珪酸塩鉱物及び類縁物質の高圧相平衡と熱力学的性質
Project/Area Number |
19340166
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
赤荻 正樹 Gakushuin University, 理学部, 教授 (30126560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
糀谷 浩 学習院大学, 理学部, 助教 (60291522)
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Keywords | 下部マントル / ペロブスカイト / ポストペロブスカイト / イルメナイト / 熱測定 / カルシウムフェライト / 高圧相平衡 / ポストスピネル転移 |
Research Abstract |
1.パーキンエルマー社製の示差走査熱量計を購入し、室温から約500℃までの高温熱容量測定の予備実験を行い、約10mgの試料で熱容量が十分な精度で測定される方法を確立した。 2.上記の示差走査熱量計を用いて、23GPa、1400℃で高圧合成したカルシウムフェライト型NaAlSiO_4の熱容量を、室温から約500℃まで測定した。 3.21・24GPa、1600℃で合成したMgSiO_3イルメナイト、ペロブスカイトの熱容量を、極低温から室温まで熱緩和法によって精密に測定し、標準エントロピー(298Kでのエントロピー)を決定した。これらは、下部マントルで最重要なMgSiO_3ペロブスカイトの初めての低温熱容量とエントロピーの測定データである。それらに基づき、イルメナイト-ペロブスカイト転移、ポストスピネル転移の相境界線を従来より高精度に計算し、両者が-2.5〜-3MPa/Kの勾配を持つことを示した。 4.ABO_3化合物の内、ポストペロブスカイト転移を起こすと予想される酸化物を選び、AにはCaを、Bに種々の4価イオンを含む物質を取り上げ、それらの高圧相転移を28GPa、1800℃までの圧力温度領域で調べた。その中でCaRuO_3がポストペロブスカイト転移を起こすことを見出し、その高圧相平衡関係を決定し、ポストペロブスカイト相の構造解析を行った。下部マントル最下部のD"層を構成するMgSiO_3ポストペロブスカイト相は常圧に回収できないが、CaRuO_3は常圧に回収できるので、モデル物質として重要である。
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Research Products
(17 results)