2008 Fiscal Year Annual Research Report
下部マントル条件における珪酸塩鉱物及び類縁物質の高圧相平衡と熱力学的性質
Project/Area Number |
19340166
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
赤荻 正樹 Gakushuin University, 理学部, 教授 (30126560)
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Keywords | 下部マントル / 高圧相平衡 / ペロブスカイト / ポストペロブスカイト / 熱量測定 / 熱容量 / カルシウムフェライト / エントロピー |
Research Abstract |
1.平成19年度に購入した示差走査熱量計(パーキンエルマー社)を用い、約10mgの試料で-120℃から50℃までの熱容量を測定する予備実験を行い、十分な精度で低温熱容量を測定する方法を確立した。 2.上記の示差走査熱量計を用いて、23GPa、1400℃で高圧合成したカルシウムフェライト型NaAISiO_4の低温熱容量を、-120〜50℃の範囲で測定した。さらに室温以上150℃までの高温熱容量を測定した。両者のデータを制約条件にして、格子振動モデルに基づき、絶対零度から800℃までの熱容量を理論計算し、標準エントロピーを決定した。 3.CaAl_4Si_2O_<11>の23GPa、1600℃までの高圧相平衡実験を行い、この組成のCAS相と呼ばれる高圧相の安定領域を確定した。CAS相の熱量測定を行い、この相の高圧安定限界を計算した。 4.MgAl_2O_4スピネルの27GPa、2500℃までの相平衡実験を行い、15GPa、2000℃以上でこの系にMg_2Al_2O_5組成の新規高圧相を発見し、その新しい結晶構造を決定した。 5.菱面体晶系の酸素欠陥ペロブスカイトCa_2AISiO_<5.5>の相関係を23GPaまで決定し、菱面体晶系ペロブスカイト相の熱量測定から、その安定性を明らかにした。 6.CaRhO_3ペロブスカイトの高圧相転移を調べ、中間相を経て15-23GPaでポストペロブスカイト相に転移することを見出し、ポストペロブスカイト相の結晶構造を精密解析した。CaRhO_3は常圧に回収できる4番目のポストペロブスカイト型酸化物であり、MgSiO_3ポストペロブスカイトのモデル物質になる。
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Research Products
(22 results)