2008 Fiscal Year Annual Research Report
高磁場高周波ESRの高性能化と励起状態研究の新展開
Project/Area Number |
19350003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山内 清語 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 教授 (10127152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大庭 裕範 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (10176985)
松岡 秀人 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (90414002)
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Keywords | 高周波ESR / WバンドESR / パルスESR / イオン対 / 励起状態 / 励起三重項状態 / 励起多重項状態 / ESRパラメータ |
Research Abstract |
本年度の目標は次の3点で、それぞれ以下に示すような研究成果が得られた。 1. 高周波パルスESRの励起状態研究への適用 2. 超高速高周波時間分解ESRによる光励起状態からの電子移動反応の解析 3. 金属錯体励起三重項状態のg値の観測と電子構造の決定 1. WバンドパルスESR法をフラーレンの励起三重項に適用してESR信号を観測し、マイクロ波連続(cw)時間分解ESRに比べて、信号のS/N比が格段に向上する結果を得た。 2. 光合成系の電子移動経路の右回りと左回りの2つルートでイオン対のESR信号を観測した。信号は大きく異なり、2つのルートの電子移動を区別できることがわかった。これを用いて150K以下の電子移動を検証し、片方のルートの電子移動のみ起こっていることを確認した。 3. 白金のビイソキノリン錯体の励起三重項状態T_1(ππ*)におけるESRスペクトルを観測し、シミュレーションによる解析を行った。gz=2.0048, gy=2.0035, gx=2.0025の結果から、T_1状態は、よりエネルギーの高いT(d_<z2>π*)とT(d_<yz>π*)状態と強く相互作用して受けていることがわかった。 このように、本年度の目標をおおむね達成することが出来た。
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Research Products
(5 results)