2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19350004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
戸野倉 賢一 The University of Tokyo, 環境安全研究センター, 准教授 (00260034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富田 賢吾 東京大学, 環境安全本部, 助教 (70422459)
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Keywords | ラジカル反応 / 錯体生成 / レーザー分光 |
Research Abstract |
これまでのラジカル錯体についての研究は,超音速線技術及びレーザー分光法の開発とともに発展し,分光データの結果を基にしてその分子構造について詳細な議論がなされている。大気化学に関連したラジカル錯体については,実大気環境下での直接検出及びその生成機構,反応機構の解明が求められているが,その研究例は限られている。本年度は,このような点を踏まえ,実大気環境下でのラジカル錯体の高感度検出法の開発及びその生成機構の解明を目指すことが出来る大気化学反応実験装置の開発を中心に行った。具体的には,赤外半導体レーザーを光源とした高感度レーザー吸収分光法による流通反応セル型超高感度吸収分光装置の開発を行った。検出レーザーとしてはい差周波発生による中赤外レーザーの発振システムの構築を行った。Nd:YAGレーザーと半導体レーザーを非線形光学結晶に導入することにより中赤外光の発振が可能である。3500cm^-1付近の中赤外域のHO_2ラジカルおよびHO_2ラジカルー水錯体由来の振動の基本音に起因する赤外吸収があることが密度汎関数法を用いた量子化学計算により予測されているが差周波法によりこの波長領域の中赤外光の発生が可能であることが確認された。対流圏の温度圧力条件の設定が可能な温度可変反応セル(温度範囲:230-300K)を作成し,その動作の確認を行った。このように,実大気環境下を模倣した,ラジカル錯体反応を研究できる流通反応セル型超高感度吸収分光装置が完成した。
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