2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19350004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
戸野倉 賢一 The University of Tokyo, 環境安全研究センター, 准教授 (00260034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富田 賢吾 東京大学, 環境安全本部, 助教 (70422459)
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Keywords | ラジカル反応 / 錯体生成 / レーザー分光 |
Research Abstract |
これまでのラジカル錯体についての研究は、超音速分子線技術及びレーザー分光法の開発とともに発展し、分光データの結果を基にしてその分子構造について詳細な議論がなされている。大気化学に関連したラジカル錯体については、実大気環境下での直接検出及びその生成機構、反応機構の解明が求められているが、その研究例は限られている。本研究は、このような点を踏まえ、実大気環境下でのラジカル錯体の高感度検出法の開発及びその生成機構の解明を目指す。特に、対流圏でのHOxサイクルで重要であるラジカル-水錯体をターゲットとし、反応速度論的研究により実大気環境下での生成機構を検討することを目的とし、研究を実施するための低温気相反応装置を製作した。 HO2は紫外、近赤外、中赤外域に吸収がある。紫外の吸収断面積が10-18cm-2と非常に強いが、他の分子の干渉が問題となる。中赤外域の吸収は近赤外域の吸収より一桁程度大きいことが量子化学計算等から予想されている。本研究では、これまでに行われていない中赤外域でのHO2の検出による速度論研究を行った。HO2のν3振動バンドの吸収による検出を試みるため9.69μm帯の量子カスケードレーザーの性能確認を行った。また、ヘリオット型の多重反射吸収セルを従来のものから改良し、低流量で従来のものと同等の滞留時間が達成できる新規反応セルを完成させ、安定ガスでの性能評価を行い、十分な性能があることを確認した。
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