2007 Fiscal Year Annual Research Report
ピコ秒時間分解能の磁気共鳴法開発と光化学素過程の研究
Project/Area Number |
19350008
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
河合 明雄 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 准教授 (50262259)
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Keywords | 超高速磁気共鳴 / 光化学 / スピン分極 / 化学物理 / 超精密計測 |
Research Abstract |
初年度は、超短パルスレーザーの磁気光学効果によるラーモア歳差運動観測を行う光学システムの製作を行った。開発している光学システムでは、1台のピコ秒YAGレーザー(本年度申請経費で導入済)で、(1)ラジカルや光励起状態生成用の励起パルス、(2)ファラデー回転プローブ用のパルス、の2つの直線偏光した超短パルス光を出力する。励起パルスでセル中にラジカルを作り磁化を発生させる。遅延時間を置いてプローブパルスを入射し、磁気光学効果(ここではファラデー効果)で磁化を検出する。溶液サンプル用セルはフロータイプとし、磁場発生のためにセル全体を均一磁場でカバーする永久磁石を設計した。磁場とプローブレーザーの配置は、(1)磁場ベクトルとレーザーの波数ベクトルが垂直(Voigt配置)、および(2)平行(Faraday配置)である。2つの配置の装置では、Voigt配置がラーモア歳差運動と位相緩和を、またFaraday配置は磁化の大きさやエネルギー緩和の測定に用いる。試運転として、リンを含有する芳香族ケトンのサンプルに直線偏光ピコ秒355nmレーザーを照射し、光分解反応でリン中心ラジカルを発生させた。この反応では熱分布の数百倍のスピン分極が生じるので、これをプローブレーザーパルスのファラデー効果で観測し、超高速ESRスペクトルの観測を行う。本年度ではこの反応でのファラデー効果の測定準備を行い、装置の問題点や改良点を探った。
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Research Products
(2 results)