2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19350012
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
青木 百合子 Kyushu University, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (10211690)
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Keywords | DNA / 塩基配 / Elongation法 / 電子状態 / 局所状態密度 |
Research Abstract |
本研究の目的は、Elongation法によって種々のDNA鎖とその一部修飾された系の局所的バンド構造や修飾部の周囲の塩基対の効果を高精度で効率よく算出することであり、DNAシーケンスおよびその分子構造と電気伝導性の可能性の関係、およびメカニズム解析を行うことである。そのために、まず領域局在化軌道を基底として局所状態密度を、DNAにおける任意の場所において効率的に抽出する方法を完成させた。今回はDNAにおける元も簡単な系B-Poly(dG)・Poly(dC)に対して本方法を用いた計算を行い、まず全状態密度を調べた。その結果、HOMOおよびLUMO付近に孤立的なピークが現れた。これらのピークの原因を、DNA上の各部位を局所状態密度から系統的に調べた結果、HOMOへの寄与はグアニン(G)であり、LUMOへの寄与はシトシン(C)であった。つまり、G-C塩基対のエネルギーギャップ<糖・リン酸鎖のエネルギーギャップとなり、G-C塩基対をスルースペース的に伝導していることが示された。さらに糖・リン酸鎖のバンドはグアニンとの相互作用によってリフトアップしでいることもわかった。これらの結果は他の論文で論じちれている内容と一致するものである。今後、種々のシーケンスによる性質の違いを最適な構造を用いて検討するために、本方法に構造最適化手法を導入することが次の目標である。そこで、DNAの一部が別のシーケンスに置き換わった場合に、その場所に集まった領域局在化軌道基底で局所的に構造最適化ができる局所エネルギー勾配法の開発を開始しているところである。
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Research Products
(4 results)