2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19350012
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
青木 百合子 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (10211690)
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Keywords | DNA / 塩基配列 / Elonation法 / 電子状態 / 局所状態密度 |
Research Abstract |
DNAを認識するためのタンパク質構造の設計は重要である。その前段階としてまず、2重らせん、3重らせんの巨大タンパク質の電子状態を高精度に計算できるように開発した。これまで主としてG-C塩基配列からなるB-DNAについてはいろいろ検討してきたが、A-DNAとの比較においても、溶媒効果や種々の塩基配列に対して構造と機能の関係についてさらなる解析を行なった。また、A-T塩基配列からなるDNAについても、A-typeおよびB-Typeともに計算し、さらにアルカリ金属をドープした系について系統的に調べ、エネルギーバンドや局所状態密度との関係を解析した。さらにDNA-タンパク質間の相互作用に注目し、局所振動状態や局所状態密度と高分子鎖間水素結合の関係について系統的に調べている。大規模系をターゲットとしているため、ハードウエアの観点からも効率よく演算を進めるために、以前に購入した1 nodeに2CPUを装備した並列64ビットクラスタを活用し、並列演算環境を充実させるとともに、より大規模な並列計算を行うために九州大学情報基盤研究センターの高性能計算機をレンタルし、開発しているプログラムの並列効率も検証した。 一方で、DNAの溶媒中での電子状態と局所構造解析の関連についても検証を行なっている。生体高分子の機能を溶媒の影響のもとで抽出することは現実の生体反応を理解し設計するためには必須であり、当グループで開発しているElongation法にMDやPCM法を導入した。本手法を用いて、領域局在化軌道に基づいたより局所的な状態密度が得られるようにし、溶媒中におけるDNAの塩基配列と局所的バンド構造の関係、電子移動反応の選択性と電気伝導性との関係を調べている。
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Research Products
(15 results)