2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19350019
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
友岡 克彦 Kyushu University, 先導物質化学研究所, 教授 (70207629)
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Keywords | 有機元素化学 / 不斉ケイ素化学 / 不斉合成 |
Research Abstract |
1)キラルシラノールの効率的不斉合成法の開発 多様な光学活性有機ケイ素化合物の共通キラル合成素子として重要なキラルシラノール類の不斉合成法として,今回新たに2つの手法を開発した.第1に,環状ヘミアセタール系の1,4-アリール移動反応が高立体選択的に進行することを見出し,これを応用してキラルシラノール類をジアステレオ選択的に不斉合成することに成功した.第2に,アキラルな環状ジアルコキシシランに対して不斉配位剤と有機リチウムを作用させると不斉非対称化を伴う求核置換反応が高立体選択的に進行することを見出し,これを応用してキラルシラノール類をエナンチオ選択的に不斉合成することに成功した. 2)新規キラルケイ素化合物の創製 2-1)ケイ素不斉を有する有機ケイ素化合物の合成と反応光学活性なキラルシラノールの官能基変換法として,新規な活性化基を開発するとともに,それを導入したケイ素エーテルの求核置換反応が円滑かつ立体特異的に進行することを見出した.一方,アルコキシ基が置換したビニルシラン類のオゾン酸化反応が,対応するアシルシランを収率良く与えることを見出した.これら2法を適切に活用することで,従来合成困難であった多様な有機ケイ素化合物の不斉合成が可能になった. 2-2)面不斉とケイ素中心性不斉を共に有する環状ケイ素化合物の創製と反応「面不斉を賦与したキラルケイ素化合物」の創製を目的として,E-オレフィン部位を有する9員環ジアルコキシシランを合成し,その立体化学挙動を精査した.その結果,この分子に動的面不斉が存在することを明らかにした.
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