2008 Fiscal Year Annual Research Report
特異な化学構造と顕著な生物活性を有する多環性高次構造天然物の全合成研究
Project/Area Number |
19350027
|
Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
宮下 正昭 Kogakuin University, 工学部, 教授 (50006326)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南雲 紳史 工学院大学, 工学部, 准教授 (40246765)
|
Keywords | ゾアンタミン系アルカロイド / ゾアンテノール / ゾアンタミン / コルチスタチンA / 海産天然物 / レプランチン / 合成研究 / 生物活性 |
Research Abstract |
微量分析技術の飛躍的発展により,特異な化学構造ならびに顕著な生物活性や薬理活性を示す微量天然物が自然界から次々と発見されている。これらの化合物は新しい医薬品開発のシードとして期待されているが、自然界から量的に確保することは至難であり、詳しい作用機序の解明や新規医薬品開発に向け、化学合成による供給が強く望まれている。本研究は、このように特異な化学構造と顕著な生物活性を示す微量天然物の効率的な化学合成法を開発し、作用機序の解明や医薬品の開発に資することを目的とする。 現在、合成化学者の注目を集めている海産天然物としてゾアンタミン系アルカロイドがあり、内外で活発な合成研究が行われている。我々は2004年にノルゾアンタミンの化学合成に始めて成功するとともに、2007年にゾアンタミンの最初の全合成を達成した。一方、平成20年度はA環に芳香環を有するゾアンテノールの合成研究を行い、効率的な芳香環構築法を開発し、現在、ノルゾアンテノールの合成に到達しており、目指すゾアンテノールの世界初の化学合成も目前である。 一方、血管新生阻害に基づく新規抗癌剤として内外から期待されている海産天然物コルチスタチンAの合成研究を行ない、最重要課題であるイソキノリン骨格の導入法を見出すとともに、DE環部の立体選択的な合成法を確立した。現在、ABC環部の合成を検討している。 また、地苔類から単離された特異な二量体構造を有するレプランチンの合成研究を展開し必要な全ての不斉炭素と官能基を含む単量体の立体選択的合成に成功した。今後、セコ酸へ誘導し、マクロラクトン化により二量体を形成し、レプランチンの合成を達成する予定である。
|
Research Products
(17 results)