2007 Fiscal Year Annual Research Report
酸素活性種を含む金属錯体の創製と反応場による機能制御
Project/Area Number |
19350029
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
鈴木 正樹 Kanazawa University, 自然科学研究科, 教授 (20091390)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤波 修平 金沢大学, 自然科学研究科, 准教授 (10115272)
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Keywords | 生物無機化学 / 合成化学 / 酸素活性種 / 機能モデル / 酸素錯体 / 反応活性種 / 金属酵素モデル / チロシナーゼモデル |
Research Abstract |
生体系には,areneであるチロシンを水酸化するtyrosinaseやalkaneであるメタンを水酸化する二核或いは多核銅活性中心を有する酸素活性化銅酵素が存在している。現在のところalkane類の水酸化反応はラジカル的な水素原子引抜き反応で,arene類の水酸化反応は,親電子的置換反応で進行すると推定されている。本研究ではこれら酸素活性二核銅酵素の機能モデルとして,これまでにない多様な酸化反応性を持つ(μ-η^2:η^2-peroxo)Cu_2(II)錯体の合成と機能発現機構の解明を目指した。 その結果,二核化配位子1,3-bis[bis(6-methyl-2-pyridylmethyl)aminomethyl]benzene(L)を含む(μ-η^2:η^2-peroxo)二核銅(II)錯体は,配位子のキシリル基を親電子的置換反応により水酸化すること,さらに外部基質である脂肪族化合物のC-H結合に対してはラジカル的な水素原子引抜き反応で酸化するというこれまでにない多様な反応性を見出した。また,酸化反応の速度論的研究からC-H結合の結合解離エネルギー(75-89kcal mol^-1)と酸化反応の2次速度定数には良好な相関があることが分かった。さらに,cumylperoxylradicalと非常に良く似た反応相関を示すことより,このペルオキソ基はcumylperoxyl radicalと良く似たラジカル性をも持っていることが明らかになった。
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Research Products
(14 results)