2007 Fiscal Year Annual Research Report
フラットベッド型化学イメージスキャナの開発とバイオイメージングへの応用
Project/Area Number |
19350036
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉信 達夫 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授 (30243265)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加納 慎一郎 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (00282103)
宮本 浩一郎 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (70447142)
|
Keywords | 化学センサー |
Research Abstract |
本研究では、測定対象試料を載せるだけで特定のイオン・分子の濃度分布をスキャンして画像化できる「フラットベッド型化学イメージスキャナ」の開発を目指しており、本年度は大面積センサの開発、高速測定方式の開発、フラットベッド型スキャン機構の開発を行った。センサの大面積化については直径4インチのシリコンウェアを基板としたEISセンサにより約60ミリ幅の面積のスキャンが可能になった。従来は測定領域内の各ピクセルを逐次的に測定していたため、1ピクセルを10msecで測定した場合、解像度128×128ピクセルの画像測定に3分近くを要していた。そこで、それぞれ異なる周波数で変調された16個のLED光源を直線上に並べたスキャナによってセンサ面上の複数のピクセルを同時に照射し、各ピクセルからの光電流信号の和として得られる電流波形から各周波数成分を抽出することで、16ピクセル分の測定を同時に行うシステムを試作した。各チャネルの周波数を2000Hz,2100Hz,...,3500Hzと100Hz刻みにした場合、10msecの測定で16ピクセル分のデータが得られ、従来に比べて大幅な高速化が可能となった。さらにこのスキャナを1軸の走査ステージに搭載することによりセンサ面をスキャンして画像が得られるシステムを試作した。走査方向に128ラインの測定を50msecごとに行うことで、1画面あたり6.4秒で測定が可能になった。このシステムを用いて、異なるpH値の溶液を測定したところ、各pHに対して得られる電流像の平均電流値はpH値に対して線形的に変化し、高速スキャンによってイオン分布画像を得られることを確認した。この手法では、チャネル数を増やしてもスキャン時間は変わらないため、今後、光源数をさらに増やすことにより、高解像度の画像測定を目指す予定である。
|