2009 Fiscal Year Annual Research Report
フラットベッド型化学イメージスキャナの開発とバイオイメージングへの応用
Project/Area Number |
19350036
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉信 達夫 Tohoku University, 大学院・医工学研究科, 教授 (30243265)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加納 慎一郎 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (00282103)
宮本 浩一郎 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (70447142)
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Keywords | 化学センサー |
Research Abstract |
本課題では、測定対象試料を載せるだけで特定のイオン・分子の濃度分布をスキャンして画像化できる「フラットベッド型化学イメージスキャナ」の開発を目指して研究を行った。従来は単一の光源による2次元スキャンに時間がかかっていたため、本研究ではX方向に配列された複数の光源で同時則定を行い、この配列をY方向に移動させることで2次元画像を取得する方式を開発した。複数の光源はそれぞれ異なる周波数で変調され、周波数多重化の手法によって同時測定を実現する。さらに、光源の2次元配列による高速化を試みた。X方向の多重化は従来通りであるが、Y方向の機械的走査が不要になり、装置の大幅な小型化と高速化が実現できた。 また、高精度の画像測定が期待できる新しい測定方式である位相モードを提案した。従来は光照射によって発生する光電流の振幅値を測定してイオン・分子濃度を求めていたが、光強度の変動やセンサ基板中の欠陥における再結合によるキャリア数の変動の影響を受けやすく、得られた画像にアーティファクトを生じる原因となっていた。そこで、光電流の振幅値のかわりに位相を測定するモードを開発し、実際にこのシステムを用いてイオン濃度画像を測定したところ、アーティファクトの少ない画像が得られた。このほか、位相をロックしてポテンシャル変化を直読できる定位相モードや、周波数多重化に対応した位相モードの測定システムを開発した。 さらに、センサ基板表面に流路と酵素反応チャンバを設け、反応前後の差分測定を行えるシステムを作製した。複数の流路を設けて同時測定することも可能であり、ハイスループットのバイオセンサシステムへの応用が期待される。
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