2008 Fiscal Year Annual Research Report
最先端材料の精密分析を実現する高機能分解分析システムの開発
Project/Area Number |
19350037
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
大谷 肇 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 教授 (50176921)
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Keywords | 熱分解分析 / 紫外線照射 / 光劣化 / セプタムフリーインジェクター / イオン液体 / 防水シート |
Research Abstract |
開発を目指す分解分析システムの各主要部分の開発に関して、以下のような進展があった。 1. 紫外線照射プローブについては、19年度に試作したシステムを使用して、屋外で使用される防水シート用樹脂などの環境劣化評価への適用を試みた。その結果、分解メカニズムに関してある程度の知見を得ることができたが、分析システムとしては実用レベルにはまだかなりの距離があり、今後、使用する光源の根本的変更などを含めた、光量の増大や波長範囲の調整などについて課題が浮き彫りになった。 2. 従来の限界を超える高分子量分解物のクロマトグラフ分析システムへの導入を可能にする、セプタムフリーインジェクターを利用した新規インターフェイスの開発を行った。試作したシステムを用いた試験測定の結果、再現性等これまでのシステムと遜色のないレベルで、従来観測できなかった分解成分の検出が可能になったことが示された。 3. 新たな分解反応場の開拓を目指して、イオン液体に着目し、その可能性を探る検討を行った。20年度はまず、代表的なイミダゾリウム型各種イオン液体に関して、高温におけるそれらの分解を含めた挙動解析を行った。その結果、400℃を超える領域でイオン液体の熱分解が誘起され、側鎖のアルキル基やそれらとアニオンとの反応物が分解物として生成することが確認された。また、イミダゾリウム環自身は比較的安定で、かなり高温でも分解することなく保持されることがわかった。
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