2009 Fiscal Year Annual Research Report
最先端材料の精密分析を実現する高機能分解分析システムの開発
Project/Area Number |
19350037
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
大谷 肇 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 教授 (50176921)
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Keywords | 熱分解分析 / 紫外線照射 / 光劣化 / セプタムフリーインジェクター / 高温ガスクロマトグラフィー / 材料分析 |
Research Abstract |
開発を目指す分解分析システムの各構成要素について、それぞれ以下に示す進展があった。 1.紫外線照射プローブに関して、20年度までに試作したシステムをさらに改良し、実用的な材料分析への適用を図った。具体的には、光源を従来よりも強力かつ安定であり、かつ自然光に近い波長領域のキセノンランプを光源に用いたオンライン紫外線照射熱分解GC/MSシステムを構築した。このシステムを用いて、実際に耐衝撃性ポリスチレン樹脂の光・熱・酸化劣化挙動を解析することを通じて、本システムが、樹脂材料から紫外線照射中に生じた揮発性劣化生成物の分析と、劣化後の樹脂成分の解析を短時間に行い得ることを実証した。 2.400℃を超える高温で使用可能な、金属製のセプタムフリーインジェクターを熱分解GCシステムに組み込みこみ、セプタムフリー熱分解GCシステムを構築した.ここでは、400℃以上で使用可能な分離カラムを使用するとともに、注入口,接続部,分離カラム及び検出器などについても、高沸点分解物の分離検出に適した、400℃付近の温度条件に設定し、高沸点分解物を与える、ポリエチレン、ポリジメチルシロキサン及びポリアクリル酸メチルの測定を行った。その結果、本システムの使用により、パイログラム上に観測される分解物の沸点や分子量の範囲が著しく拡張されることが示された。さらに、アクリル系紫外線硬化樹脂を試料とした有機アルカリ試薬共存下での反応熱分解測定より、本システムを反応熱分解GC測定に用いた場合にも、高沸点の反応分解物の分離検出に有効であることを実証した。
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Research Products
(10 results)