2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規イオン会合試薬の設計・合成とイオン性物質の高度化分離・検出法創出
Project/Area Number |
19350038
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
本水 昌二 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (50032826)
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Keywords | イオン会合 / 陰イオン性会合試薬 / 疎水構造型イオン会合 / トリフェニルメタン系試薬 / 陽イオン界面活性剤定量 / 精密イオン移動度 / ストークス半径 / 置換基寄与 |
Research Abstract |
「イオン会合試薬設計指針の確立」,「高選択的イオン会合性試薬の設計・合成」と「新規合成試薬を用いる分離・分析法の開発」を行い,「新イオン会合論の実証的研究」を深化させることを目的として研究を進めた. (1)精密イオン会合反応解析法の確立と比較的弱いイオン会合反応解析への応用粘度補正法と電位差補正法を導入した精密イオン移動度測定法を開発し,正確なイオン会合反応解析に成功した.この手法を用いて,各種イオン会合反応を解析し,弱いイオン会合反応解析にも十分応用できることを実証した. (2)精密イオン移動度測定によるストークス半径,イオンの疎水性尺度,置換基の寄与の決定精密イオン移動度測定法を用いて,各種イオンについて精度と正確さに優れたイオン移動度を求め,これらの移動度より正確なストークス半径を求めた.この結果から,疎水性尺度,置換基の寄与分を決定することに成功した. (3)イオン周囲の環境制御型高選択的試薬の合成開発平面/負電荷非局在型試薬として,陰イオン性基(-O^-)を持つ色素イオンにハロゲンを導入した試薬を系統的に合成した.トリフェニルメタン系陰イオン試薬の陰性基の隣および中心炭素近傍にかさ高い置換基を導入することにより,水溶液中での試薬の安定性が飛躍的に向上し,更にはイオン会合性も大きく向上することが分かった.本試薬は,水溶液中で陽イオン界面活性剤とイオン会合体を生成し,色調変化を示すので直接吸光光度定量に利用できる.また,アルコール等の水溶性有機溶媒が存在することにより鋭敏な色調変化を示すことを見出した.これらの色調変化は,イオン周囲の環境変化によるものである.
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