2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19350041
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
田端 正明 Saga University, 理工学部, 教授 (40039285)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高椋 利幸 佐賀大学, 理工学部, 准教授 (70291838)
|
Keywords | 分離分析 / カラムレス分離 / 混合溶媒 / 溶媒クラスター / イオン液体 |
Research Abstract |
本研究は、混合溶媒の「溶媒クラスター生成」に基づいて、キャピラリーに試料を注入し送液するだけで化学種の分離を行う、新しい流れ分離分析法の創成である。本年度は次の事項を達成した。 1.手作りT字型スプリッターとマイクロシリンジを用いて、nlの試料注入でも精度よく検出できるように装置配列の最適化を行った。 2.混合溶媒のミクロ相分離を用いるカラム不要の分離分析法の実現 (1) 5種の水に可溶な有機溶媒と水との混合溶媒を用いたp-ニトロアニリンと2-ナフトールを含む試料の分離分析法では、次の順序で分離度が高くなった。アセトニトリル<2-プロパノール<1-プロパノール<ヘキサフルオロプロパノール<イオン液体、1-butyl-3-methylimidazolium chloride([bmim]Cl)。有機溶媒の疎水性が高いほど、混合溶媒中で溶媒クラスターが形成されやすく、しかも選択的溶媒和が起こりやすくなるためである。 (2) 4種の混合試料( 0.5 mM )、2-Naphthol、phenol、p-chlorophenol、1、3、5-naphthalenetrisulfonic acidをイオン液体[bmim]Cl(0.8M)と高分子PVP(0.1%)を含む水との混合溶媒に溶かし、キャピラリー(内径50μm、長さ〜45cm、)に注入して混合溶媒をマイクロシリンジポンプで送液(1μl/min)すると、上記化合物が分離された。それぞれの理論段数は461、906、2584、3487であり、隣接する化合物の分離係数は1.40、1.31、1.65であった。水溶性化合物や極性化合物は遅く溶出した。混合溶媒の溶媒クラスターの生成をLAXS法で確認した。
|